BSK流健康の4つの柱
2.十分な運動
犬の祖先は野山を駆け回り、狩りをして生きる動物でした。
長い年月をかけて、その生活スタイルに合わせて進化してきたカラダは今も大きく変化はしていません。
走りたい、匂いを嗅いで歩き回りたい。
この欲求はとても自然なもので、これを満たすことが愛犬の心と体の健康に必要です。
健康な体作りのための「十分な運動」3つのポイント
- 犬はもともと、走り、歩き回る動物です
生まれ持ったこの欲求をかなえることは自然治癒力を発揮する手伝いとなります。 - 安全な場所での自由運動を取り入れましょう
安全に自由運動ができるような準備をする必要があります。 - 自分の犬の歴史を調べてみましょう
効果的で愛犬が喜ぶ運動を見極めるヒントになります。
運動をすることは、骨や筋肉を鍛え基礎体力をつけるだけでなく、血流を増やし、自律神経のバランスを整え、免疫システムを正常に発揮する力となります。
病気予防のためにも十分な運動を心がけましょう。
運動を上手に生活に取り入れよう
飼い主さんと一緒に歩いているだけでは、歩く距離も限られます。
多くの犬種にとってそれだけでは慢性的な運動不足となり、欲求を満たす事ができません。
安全な場所を見つけて可能な限り自由運動をさせてあげることをぜひ取り入れてください。
できれば足腰に負担がかからず、自然の力を満喫できる土や草の大地であることが望ましいです。
愛犬が好むのであれば水泳も効果的です。
筋肉が骨を支えていますので、運動により筋力をつけることは骨格の形成不全や関節疾患などの予防にもなります。
子犬の頃から土や草の上で自由運動をさせることを心がけましょう。
マナーを守った自由運動を可能にするために、危険のない場所選び、ロングリードの使い方や呼び戻しの練習をしておくなど自由運動に対する準備も怠らないようにしましょう。
自律神経のバランスを整える役割も
多くの不調の原因は、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスの乱れにより免疫機能が正常に働かなくなったり、血行不良が起こることであると考えられています。
自由にニオイを嗅いだり、走ったりする事は犬本来の姿を呼び覚まし、自然治癒の力も最大限に発揮できる大きな力となります。
十分な運動でストレス発散、本来の犬らしさを取り戻し、自律神経のバランスを整えるように心がけてあげましょう。
check!自律神経のバランスが崩れるのはこんな生活!
体を動かさずマッタリな生活や、常にピリピリしている生活など極端な暮らしは自律神経のバランスを崩しやすいです。
お散歩に行かない日が多い・過度に甘やかす・常に叱られ萎縮している・落ち着ける居場所がないなどは特に要注意です。
犬の歴史から見る運動欲求の強さ
多くの犬種は様々な仕事をさせるために選択繁殖して作られ、今も名残が色濃くあります。
猟犬、牧羊犬、そり犬などは一日中走り回ることが仕事だったので特に運動要求が強い犬種と言えます。
運動欲求度や必要量は体の大きさには関係ありません。
小型犬でもテリア系をはじめとする猟犬種などは、運動や使役の欲求が強く、体を動かすことやトレーニングの時間が十分でないと問題行動を起こしがちになります。
「小型犬だから散歩は少しだけでいい、しつけは必要ない」という考えは改めた方がよいでしょう。
check! 愛犬の癖がストレス解消のヒントに
穴掘りが好き、水遊びが好き、ボール遊びが得意、鳥を追いかける、足に絡み付いてじゃれつくなど愛犬のクセは本来の仕事の名残であることが多く、同じ犬種で共通していることもよくあります。
犬種の作出の歴史と愛犬のクセに共通することがあれば、愛犬が喜ぶ得意な遊びや欲求を満たすことができる運動方法を考えるヒントにもなります。
十分な運動は健康作りの要
血流を良くし、体の隅々にまで栄養と酸素行き渡らせる運動習慣は万病の予防となります。
普段からの運動で足腰を鍛えて筋力・体力をつけておく事は、体の一大事が起こったときにその治癒能力を大きく左右することになります。
BSKのトレーニングレッスンでは、自由運動のための効果的なロングリードの使い方やボール遊びの仕方、呼び戻しの練習などを取り入れ、健康作りに役立つ効果的な方法を飼い主さん自身が行えるように指導しています。